信仰の意味

信仰とはいったいどのようなものでしょうか。

信仰の本質とはいったい何なのでしょうか。

信仰を意味するאָמַן(アーマン)というヘブライ語から検討してみましょう。

目次

養育のプロセス

信仰を意味するヘブライ語にאָמַן(アーマン)という語があります。

「真実です」という意味の「アーメン」はこの語から派生しています。

この語の中心的な意味は「しっかりと支えられること、堅固さ、確かさ、確実さ」です。

そのイメージは「無力な幼児が親の力強い腕によってしっかりと支えられた状態」です。

「養い育てる、教育する、育成する」「永続する、堅く立つ、確かである、真実である、忠実である」などの意味があります。

親と子の深い信頼関係は長い時間をかけて育てられていきます。

そのように父なる神は親の愛情をもって、私たちの信仰を養い育てていかれます。

それは時間をかけた養育のプロセスであります。

信仰を引き起こすもの

אָמַן(アーマン)という語のヒフイル形(使役)が「信用する、信頼する、信じる」という意味になります。

ヒフイル形(使役)とは「~させる」「ある状態を引き起こす」と言う意味です。

つまり、信仰とは自分が頑張ってつくりだすものではなく、神の働きかけを受けて「引き起こされるもの」なのです。

神の言葉を聞き、その愛がその心に注がれ、その真実に触れていきます。

それらの恵みは、人の心の中に、神の対する強い確信、確かさを生じさせていきます。

信仰とは人間が自己の力や努力によって生み出し、つくり上げていくものではありません。

神が恵みを与えてその人のうちに建て上げていくものです。

大嵐の中で

もし、あなたがたが信じなければ、長く立つことはできない。イザヤ書7:9b 新改訳

このイザヤの言葉が語られた時、南ユダ王国は絶体絶命の状況にありました。

北イスラエル王国がアラムと同盟を結んで南ユダ王国を攻撃しようとしていたのです。

そんな状況にある南ユダの王であるアハズや神の民に対して、神の言葉が語られています。

ここではאָמַן(アーマン)という語が、「信じる」と「長く立つ」という意味で2回使われています。

危機的状況にある時こそ、神の真実に依り頼み

その大能の腕によってしっかりと支えられなければ、長く立ち続けることはできません。

わたしは、ここを読んだときある情景を思い浮かべました。

それは、突然の嵐に遭遇しておぼれそうな状況の中で

母親の腕に抱かれてスヤスヤと赤子のように眠っているイエスの姿です。

肉体の疲れもあったでしょうが、大嵐の只中で眠るイエス。

そのたたずまいの中に、わたしたちは信仰の本質を垣間見ることができます。

8:24 そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。イエスは眠っておられた。
8:25 弟子たちは近寄って起こし、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と言った。
8:26 イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ。」そして、起き上がって風と湖とをお叱りになると、すっかり凪になった。マタイによる福音書8:23-26 新共同訳

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